清流の女王と賞されるやまめ。解禁初期は黒くサビていたり雪代ヤマメと呼ばれたりしますが、水温が上がり盛んに流れ下る昆虫を食べ始める時期になると、『本当に美しい魚体だな~』と感心してしまうこともありますね。
小さなヤマメは、①脂びれをもち、背びれの先端部分が黒くない。②のパーマークと呼ばれる楕円形の模様がある。③の尾ヒレは先端が丸みを帯び、尾の先端が黒くならず赤みを帯びている個体もある等の特徴があります。

群馬漁協では、利根川や渡良瀬川の本支流・前橋市内の荒砥川や粕川などの小河川へも解禁前の成魚放流や禁漁後の稚魚放流を行っています。もし、これらの河川に釣行され小さなヤマメが釣れた際には、資源を保護するために再放流して頂きますようお願い申し上げます。
下の動画は、黄葉の始まった前橋市内の小渓流へキノコ狩りに出掛けたときの光景です。2匹のヤマメが追いかけっこをしていたのですが、この2匹はオス同士なのでしょうか?それともオスメスのペアなのでしょうか? 倒木や流木を探しながら川面を歩くと、そこかしこで見られるヤマメの姿に時間を忘れて見入っていたことを思い出します。
さて、ヤマメは群馬漁業協同組合の管轄内において
網・全魚券・雑魚券・コンビニ販売のサクラマス日釣り券で3月1日から9月20日まで釣る事が可能です。ただし、体長が15cm以下の個体やサクラマス・イワナ・ヤマメの合計数量20匹を超えて持ち帰ることは出来ません。
※川の音がします。
次に、利根鱒や戻りヤマメと呼ばれる利根川のヤマメですが、昨年行われた水産試験場の耳石の解析から『一定期間、海水で生活した』との内容が新聞紙面に掲載されました。しかし、実際に釣れた魚体を観察すると、うっすらとパーマークのあるものや大きくてもヤマメの特徴の強いもの、そして小さいけどサクラマスの要件を満たしている様に見える個体など様々です。この記事では、パーマークのハッキリ出ている個体を扱わせて頂きます。(記事・写真:Club Crest 星野)
オリーブ色のヤマメ(グリーンドーム前)

銀色のヤマメ(福島橋上流)
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利根川の合流から片品川をさかのぼること約30km。東洋のナイアガラと称される吹割の滝があります。1度は訪れたことのある方も多いと思われますが、この吹割の滝の下流に『鱒止め(鱒飛び)の滝』という落差8m程の大きな滝があるのはご存知でしょうか?
この滝から数キロの所で育った私は、親父から『昔(大正の頃?)は、初夏に海からのぼって来たマスがこの滝を越えられなかったから、鱒止めって言うんだよ』と滝の名前の由来を聴いた記憶があります。当時は『ふ~ん』程度の関心しかなかったのですが、今思えば、『飛んでいたマスはサクラマスで、初夏には沼田の先まで遡上していたのか』と感心するばかりです。
さて、このサクラマスですが、
2014年6月の上毛新聞に載った群馬県水産試験場の記事によると、耳石のストロンチウム/カルシウムの解析結果から『一定期間、海で過ごしていた』とありました。 この一定期間とは、東北のサクラマスのように北海道の先まで回遊する期間なのでしょうか?それともサツキマスのように半年程度を沿岸部で過ごしている期間なのでしょうか?
利根川のサクラマスは、まだまだ分からないことが多いのですが、釣り人からの情報や関係機関の調査などを注視しながら、遡上に関する環境のこと、適切な放流のあり方など様々な事を勘案し一つ一つ行動に移して行かなければなりませんね。
2015年2月現在、群馬漁業協同組合管内では、
サクラマスはイワナ・ヤマメと同様に3月1日~9月20日の間、すべての遊魚券で釣る事が可能です。また、2015年3月1日からは、コンビニエンスストアで日釣り雑魚券を購入できるように準備を進めています。
後日、すべての準備が整いましたら、『コンビニでの遊魚券購入について』の記事を掲載させて頂きますので、どうぞ、もうしばらくお待ち頂きますよう、お願い申し上げます。(星野)
(誤字のご指摘有難うございました。2015.02.21)
写真:2014年 漁協撮影